10月は神無月(カンナ)
カンナは10月の風にあたると思い出すことがあるの。
カンナがまだ子猫だった頃の話。
秋風の気持ちのいい日だった。
前足をけがしてしまったの。歩くのも大変だった。
どこか、薬のにおいのところに連れていかれたのは何となく覚えているけど、
とにかく痛くて痛くて。
そこからのこと覚えていない。
目が覚めたら、
おおっきいぃぃぃ黒いものが目の前にあったの。
それはラナちゃんのお鼻だった。
ふつうは怖がるんだって。
でも、カンナは眠くて、眠くて。とにかく眠りたかった。
カンナはとにかく眠って、眠って、ねむって。
やっと起きた時、なんか違う・・・・。
だって、
カンナの左前足なかった。
カンナは痛いのがなくなったから、別に悲しくはなかったよ。
右の前足にも問題があって上手に歩けなかったんだけど、徐々に歩けるようになったんだ。
おうちの階段もまず一段登れるようになって、そしたらみんなが喜んでくれた。
それから、得意になって階段のぼったの。
それからはいろいろ高いところにジャンプできるようになったんだ。
高いところにのると、ラナちゃんより背が高くなった気分。
今は、ラナちゃんより早く走れるよ。
「神無月」におうちに来たから、カンナなんだって。
その時お世話になった病院の動物看護士さんが名前をつけてくれたらしいの。
じゃあ、ラナちゃんのお名前はどういう意味があるの?